スケール 〜子供の心が生きている〜
この作品は、14年前に初監督、脚本したものだ。
予算など皆無に等しい為、演者2名と音楽1名で残りは一人で担当した。
初めての長尺の挑戦。思うようにできず四苦八苦した。
なんとか完成にこぎつけたが、コンテストに出しても通らず、周りにも理解されなかった。
ただ、自分の中ではオリジナリティ溢れる作品になったと確信した。
その後、試行錯誤を重ねて完成形にし
新たに撮りなおす為、演者、スタッフを探した。
そして監督の自分を含めて7名のメンバーが決まった。
7名の中でも特にこだわったのが、撮影監督だ。
古くからの友人にファトグラファーがいる。
その友人に撮影の依頼をした。なぜ映画にフォトグラファーを使うのか。
それは、依頼した頃にCanon 5D Mark2が登場した時期だった。
たった30万円ほどのカメラボディが世界を旋風していた。
世界中の映像関係者が使い出し、スケールでも即採用した。
スチールカメラを使用する為、フォトグラファーを撮影監督にしたのだ。
この采配がびっくりするくらい、ハマった。
次に決める必要があったのが、ロケーションだ。
以前から一箇所とても気になっていた場所があった。
その場所は東京から450キロ離れた宮城県にある。
どうしてもそこで撮影したい旨を撮影監督に伝えると、それなら全てのロケーションを宮城県でするべきだと言われた。
そこから、1年かけて撮影監督と二人でロケーションをハンティングする旅が始まった。
トータル3万キロを走ることになるが、車中で撮影に関する議論が行われ監督と撮影監督は密接でないといい映画にはならないとその時に気付いた。
そして、全てのロケーションをハンティングが終わり、各所の協力を取りつけクランクインしたのが2010年の終わりであった。
年が明け、2011年2月末に全ての撮影を終えクランクアップした。
ここからは素材の確認をし編集に取り掛かった時に東日本大震災が起こった。
ニュースで流れる映像を見てロケをした場所の変わり果てた姿に心が打たれた。
この映画は何としても世に送り出さなくてはと強く誓った。
そして、上映にこぎつけたが評価されなかった。
スケールを制作するにあたり多大なる協力をしてくれた宮城県の為に今度はこちらが恩を返す番である。
現在、VIMEOで購入ができるようにし、売上金を宮城県に寄付する。
より多くの人に見てもらえることを強く望む。